それは、たまたまなのか偶然なのかわからないけど、私たちはい
つもすれ違い。
私は入社した時、彼は海外勤務だったからはじめて逢ったのは、
入社後3年もたった頃。
仕事にも慣れてきてバリバリやるぞ!って頃だったから怖いもの
知らずで邁進してた。
そんな時、帰国した彼と同じ職場になって、今までいない価値観
と行動力に惹かれていった。
私は、彼にどんどんくさがって、二人チームで仕事もこなした。
でもその時私にはすでに婚約者がいて、結婚を一年先までのばし
て仕事に打ち込んでいたから、自分でもそれが恋とは気がつかな
かったの。
そして一年後の冬、私は結婚した。
その年の忘年会、ふと気づくと二人だけの会話。一緒に過ごした
日々を思い返していると、彼が言った。
「おまえに婚約者がいなければ、プロポーズしたのに。」って冗
談ぽく笑いながら。
もっと早く逢えていれば、入社した時から彼を知っていたら、彼
を選んだかもしれない。
そんな思いが私の中ではじけたとき、彼を愛している自分に気づ
いた。
それからも、私の想いは高まりはしたけど、伝えることはできな
かった。
そして、春。彼と私は離れ離れの部署になり、逢う機会もなくな
った。
それから3年もたった晩秋、偶然に仕事で立ち寄った彼と鉢合わ
せした。
懐かしさと3年間の恋しさで私から、誘って食事に行くことにし
た。
一度逢うと、また逢いたくなる。何度か逢瀬を重ねているうち、
フリーでない私とフリーな彼のアンバランスは限界になった。
彼の目と手は私を離さなかったが、姑の病気が悪化し看病が必要
な時私には離婚はできなかった。
雪の舞い散る公園で、さよならの最後で最初のキスをした。
それから又年を重ねた。今もあの時のときめきは忘れられない。
時折、すれちがうことはあったけど、彼はずっと私をさけてき
た。
私は、心の奥に寂しさを隠しながら思い出を大切にしまってい
た。
今年、会社を揺るがすような事件が起こった。対処の為のプロジ
ェクトが発足し、違うポジションではあるけど接点ができた。
「元気?大丈夫?」「めっちゃくちゃだけと何とかね。」「痩せ
た?」「いや、少し寝てないだけ。」
そんなたわいない会話が少しずつふえてくるうち、今回の事件の
問題点を二人が別の角度から同じ指摘を行っていることに気づい
た。
「ああやっぱり。彼とは共通した観点をもっているんだ!」と思
うだけでうれしくて力が湧いてきた。
すると、彼もそう感じたのか、「今度飲みに行かないか?電話す
るよ!」と突然誘ってくれた。
今度逢うときは、どんな話をしよう?
大人になって、お互いを労わり合える間柄になった二人。
心で結びついたプラトニックな恋人でありたい。
そう願っていた時、その対策の中心的ポジションにいる彼に突
然、問題解決のために海外出張が言い渡された。
それは、やっぱり冬のはじめ。
二人はすれ違いであることに変わりはなく、次の機会を待つしか
なかった。
雪の振る頃、彼は戻ってくる。
ただ逢いたくて、せつないけれど、二人の思い出があるから大丈
夫。
いつもすれちがいでも、夢と希望は次のチャンスに残しておくか
ら、楽しみが続くのよ。
年を重ねる度に、冬を迎えるたびに、恋人達の思いはふくらむ
の。
そう信じてる。
2001-10-28 Kanako
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