桑田佳祐/白い恋人達 あなたの冬の恋物語
 
あれは高校3年の冬、中学の時のクラス会で久しぶりに再会し たM君。私は中学生の時彼のことが好きだったのです。でも告 白なんて出来なくてただの友達のまま卒業して別々の高校 へ。彼は男女共学、私は女子高へと進学し月日は流れていき ました。ただ私の心の中では淡い恋としてずっと忘れられず にいたのです。そんなある日友達から彼に彼女が出来た事を 聞かされました。もちろん友達は私が彼の事好きだなんて知 りません。しかも偶然彼女と一緒に歩いている彼を見かけて しまうというおまけまでついてしまって『失恋』しました。 その後私にも彼ができて楽しい学生生活を送っていました。 そしてあの日、まだ高校生なのになぜか焼き鳥屋でのクラス 会でお酒なんかも飲んでしまったのです。高3にもなると女 の子はすっかり大人びてきれいになるし男の子も大人っぽく なってなんか不思議な感覚で皆との楽しい時間を過ごしまし た。M君もすっかり大人っぽくなってドキドキしてしまった。 帰り道幸運なことに彼と私の家はすぐ近くでもちろん一緒に 帰ろう、ということになったのです。ただもう一人同じ方向 の友達がいて3人で帰ることに。いろいろ話したかったのにあ っという間に家の前に着いてしまい私が一番先に『バイバ イ』。心が疼いて切ない気持ちのままです。恋心復活という 感じ。きっとお酒のせいもあったのでしょう。寝るに寝られ ずにいると玄関のチャイムが鳴りました。『こんな夜中に』 とでてみるとなんと彼が立っていたのです。その日私が家に 一人だという事を何かの拍子にしゃべったのを聞いていたの でしょう。手に松山千春のLPを持って彼が立っていたので す。『一緒に千春を聞こうと思って・・』私の心臓はバクバ クだったのを今でも覚えています。そして二人で千春を聞き ながら『実は俺、中学の時お前のことが好きだったんだ』 『うん、私もだよ』それを聞いてもお互い驚かなかったのは 何かを感じていたから。『でも今俺彼女いるから』『うん、 私もいる』そう言いながらお互いに触れたくて仕方なかった あの夜。でも手すら触れずに一定の距離を保ったまま後日千 春の本を借してくれる約束をして帰っていった彼。午前2時を 回って寒い夜空に小雨が降り出していたっけ。千春の生き方 に感動して借りた本にもアンダーラインがいっぱい引いてあ ったね。大学生になって偶然駅で出会ったり話もしたけど 社会人になってからはすっかり音信不通。その後まもなく 結婚するということを聞きました。高校生の時に付き合って いた彼女と・・『俺って物持ちいいんだよな・・』って言っ てたよね。彼の結婚式の前日すごい偶然に彼の親友にばった り。『あいつ最後にもう一度K(私)に会いたいって言ってた よ』二人の間には何にもなかったらから今でも忘れられない 思い出。あの冬の夜、二人で聞いた千春の『僕の好きな風 景』が忘れられない。
 
 
2001-10-23 スモ-キー
 
 
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