桑田佳祐/白い恋人達 あなたの冬の恋物語
 
まだ制服を着ていた頃

どの瞬間に彼を好きだと気づいたのだろ。
どの瞬間に恋している自分に驚いたのだろ。

彼を好きだと確信した その時から
この関係をただ崩さずに側にいたいと想い続けた。
春も夏も秋も…。

けれど
冬のあの日 彼はほかの誰かに心を告げた。

バス停までの道のりを どんな風に歩いたのだろ。
胸につかえる石ころ飲み込み
口元にかかる冷たい風吹き散らし
肩で息して
ただ 風飲み込んで歩きつづけた。

やがて
冬の天使がフワフワと舞い始める。
なぜ こんな日に舞うんだろ。
戦うように 息吐き捨てて
天使も風もはねのけて
やっと バス停にたどりつけば
ずぼんのポケットに両手つっこみ
肩いからせた彼の姿。

あのバス停で どちらの息も白かった。
どちらの顔も心なしか赤らんで
呼吸すら少し荒く感じた。

「聞いたよ」やっとの思いで口にすれば
「うっせ」いつものようにおでこをこづき…
その日の彼は黙り込んだ。

あの雪の日に ひとつの恋が始まって
あの雪の日に ひとつの恋は涙となった。
 
 
2001-11-30 white love
 
 
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