『聖なる夜の・・・』
今日はクリスマス。 僕は、とても憂鬱だった。
彼女と別れてから半年・・・些細な事が原因で喧嘩となり、
彼女を傷つけてしまった。
去年は、二人で過ごしたのに・・・。
今となっては、もっと大きな心で接してやればよかったと、
後悔するばかりの自分が、そこにあった。
そういえば、去年のクリスマスは町外れにある教会に
二人で行ったんだよな。 彼女の笑顔が頭をよぎる。
その時、僕は彼女の言った言葉を思い出した。
「来年も、絶対二人で来ようね。」
居たたまれなくなった僕は、家を飛び出し
気付いた時には夜の帳の中、あの教会に向かっていた。
いるはずも無いと分かっていながら・・・。
時間にして30分、僕は教会に着いた。
しばらく立ち尽くし、辺りを見回した後、
扉を開けると、既にミサは終わって中には誰もいなかった。
僕が中へ入って行くと、奥の部屋から神父が現れた。
事情を説明すると、神父は僕にこう言った。
「そこへ座りなさい。」
「目を閉じ、祈りを捧げ、悔い改めよ。」
僕は、言われた通りに席につき、目を閉じて
彼女に対して自分がしてしまった事を心から懺悔した。
そして、彼女と一緒に過ごした楽しい日々の思い出の
一つ一つが、まるで昨日の事のように甦り
自然に僕の目からは、涙がこぼれた。
しばらくして、僕は目を開けて前を見ると、
先程までいたはずの神父の姿はなかった。
すると・・・、
「悔い改めなさい。」
という声が・・・。
僕は、ハッ!っと思い、慌てて後ろを振り返ると、
そこには目に涙をいっぱいにため、微笑みながら
ハンカチを差し出す彼女の姿があった。
ずっと僕が現れるのを、教会の外で待っていて、
一部始終を彼女は見ていたらしい。
二人して涙を拭きながら教会の外に出ると、
雪がちらつき始めていた。
「来年こそは、絶対二人で来ようね。」
と彼女が言うと、僕は
「もう、ずっと二人でいよう。」
そう言いながら、彼女の肩を抱くと、彼女は笑みを浮かべながら
うなずいた。
そして、僕達は夜の闇の中を歩き始めた。
来年のクリスマスに向かって・・・。
-完-
2001-11-17 ○じめちゃん
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