「昨日はあれからどうしたのよ?」
期待していたと通りの、友人たちの質問攻め。
「うん。うちに一緒に帰った。」
「それで??」
「うん。やったよ。」
彼は大学のOB。
毎年行われる学園祭でしか逢えない。
役者志望の彼は、背がすらりと高くて、センスも良く、周りの男
性方とは、ちがっていた。
憧れの的。
短大部1年だった私には、話の輪に入るのがせいいっぱいだっ
た。
そして2年の秋。
今年こそは、と。
近くに寄り、彼の話をめいっぱい盛り上げた。
印象に残るように振舞った。
彼の目に、留まるように。。。
お酒のせいもあっただろうけど。
その朝、一晩限りの背中を見送った。。。
(一晩だけで、充分。充分。
ヘタに連絡なんてしたら、逆に嫌われちゃうに決まってる!!
いい思い出。
役者は、女を食って生きてるようなものだっていうし。なにし
ろ私の心構えができてるし。)
あれからひと月くらい経っただろうか、どちらからでもなく、
2人は会うようになっていた。
(やばいよ、ホントに好きになっちゃう。)
見た目とは裏腹に、オタクチックな部分を持つ彼に、私は完全に
惚れていた。
(こんなに、好きになる予定じゃなかったのに。。。)
たのしかった。
8ミリカメラを持って、北鎌倉をあるいた。
たのしかった。
レアな店に連れて行ってもらった。
たのしかった。
クリスマスにも、一緒に過ごした。
うれしかった。
普通の恋人同士のように。
知らない世界もたくさん知った。
本当に楽しかった。
通りすがりの人は、少し美人な私よりも彼を見ている。
今までに無い、優越感。
もっと一緒に歩きたい。
私の彼。私の彼氏だ。
(予定外だけど。大好き。 離れられない。)
春を待たずに、彼のPHSからは”使われていません”のメッ
セージ。
ふらっと、どこか遠くの国にでも行っちゃったのかな。
それとも、彼女の元に戻ったかな。
涙。
涙。
そういえば、泣くような女はきらいだって言ってた。
2001-11-15 amiami
|
|