桑田佳祐/白い恋人達 あなたの冬の恋物語
 
あれはもう十数年も前のこと 俺は遠距離恋愛をしていた...
サラリーマンの俺と看護婦の彼女の距離は約200kmもあっ た。その年の12月は例年にない寒い冬。といってもこのあたり は温暖で年に数回雪がちらつく程度だ。俺も彼女も仕事がいそが しくなかなか逢えない日々が続いていた。彼女を驚かすのが好き な俺はあるとを思いついた。最近逢っていない彼女にクリスマス に逢いに行こう..もちろん内緒で!幸い23日は彼女は準夜勤。
仕事が終わるのは夜中の1時頃。俺は23日朝からシャワーを浴 びクリスマスソングの流れる街へ出かけた。そして彼女へのクリ スマスブレゼントそれと小さな花束を一日かけて探し歩いた。そ して夜12時頃に着くように俺は車のアクセルを軽く踏みはじめ た。雨も降らず渋滞もない助手席にはプレゼントと小さな花束カ ーラジオからは心地よいメロディ彼女の驚く顔を想像している俺 は終始笑顔だった。そして予定通り着いた俺は彼女が止めている 車の近くに車を止め合い鍵で彼女の車の助手席に小さな花束を置 いてまたドアを閉め自分の車に戻った。それからどれくらいたっ ただろう。彼女が仕事を終え車に...すると小さな花束を持っ た彼女は車を降りびっくりした顔で辺りを見回していた。そんな 彼女の前へ俺はプレゼントを抱えて笑顔で歩き始めた。笑顔の期 待とは裏腹に彼女の瞳からは涙がこぼれていた。俺はひとことメ リクリースマス そうほんの一時間ほど前からもうイブになって いた。それから数時間彼女と話した。幸せな時間だった。そして 仕事にそなえて彼女との余韻を残しつつ家路に着いた。帰り道高 速を走っているとめったに降ることのない雪が...カーラジオ からはクリスマスラブ♪なぜだか涙がとめどなく溢れてきた。そ の後彼女とは別れてしまったがこの曲を聞くと彼女を想い出しそ して願うんだ 彼女が幸せでありますように...と 当時は携 帯電話やe-mailもなく連絡をとるのも試行錯誤そんな時代 だった。たまに話す電話、気まぐれに届く手紙 それが笑顔にな れる瞬間だった。今考えればそれは今より恋人たちにとっては素 敵な時代だったかもしれない...

 
 
2001-11-15 Kiyo
 
 
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