「童話・しろいこいびとたち」
きょうはクリスマス。
けいすけくんのすむ町にもめずらしく大雪がふりました。
あさからいもうとのゆうこちゃんと大はしゃぎです。
でもおかあさんはたくさん服をきてからでないと外にでちゃだめ
だって。
「おかあさん、はやくスキーの服をだしてよ」
「はやくしないと雪がとけちゃう」
ようやくおかあさんのゆるしがでて二人は外にでることができま
した。
はい色のくもからはおおつぶの雪がおちてきます。
かぜにふかれて、あっちにフワフワ、こっちにフワフワ。
「わぁー、お空からかきごおりがふってくるよ」
「わたし、イチゴあじでたべたーい」
「ぼくはミルクあじがいいなぁー」
ながぐつをはん分まで雪にうめながら、二人はお空にむかってい
っしょうけんめい大きな口をあけています。
やねよりたかいところからフワフワふってくる雪をきょうそうで
つかまえます。
でもせっかくつかまえてもお口のなかですぐにとけてしまいま
す。
それでもいつまでも上をむいていたのでくびがいたくなってしま
いました。
「ねぇ、ゆきだるまをつくろうよ」
「うん、おっきいのをつくろう」
二人は小さな雪のたまをなんども、なんどもころがして大きなゆ
きだるまをつくりました。
おかおにはおめめもおはなもつくってあげました。
手がつめたそうだったので手ぶくろもはかせてあげました。
そのときおかあさんがおひるごはんのじかんだよ、とよびにきま
した。
「ゆきだるまくん、ちょっとまっててね」
「ごはんたべたらすぐにくるね」
ゆきだるまは二人がお家にはいったのをたしかめると一人ごとを
いいはじめました。
「いちねんぶりにかえってきたぞ。あーあ、つかれたなぁ」
ゆきだるまは大きな口をあけてなんどもあくびをしました。
「ことしも一人ぽっちでさびしいなぁー。はやくおよめさんをみ
つけなくっちゃ」
ゆきだるまはくもの上のせかいにいるときから、ことしこそすき
な人をみつけるぞとおもっていたのです。
そのときくものきれめからたいようがかおをだしました。
ゆきだるまはたいようが大きらい。たいようがずっとでてるとゆ
きだるまはすぐにとけてしまいます。
ゆきだるまはまぶしそうにたいようを見ると、
「たいようくん、もう少しかくれていてくれよ。およめさんが見
つかるまでゆっくりしたいんだ」
でもたいようはなかなかかくれてくれません。
ゆきだるまはかおのあたりから少しづつとけはじめてしまいまし
た。
とくに、くろくて大きな目は泣いているようにみえます。
ちょうどそのとき、けいすけくんたちがおひるごはんをたべて外
にでてきました。
「あっ!ゆきだるまくんが泣いてるよ」
「どうしたのかなぁ」
「きっと一人でさびしいんだ」
「ねぇ、およめさんをつくってあげましょ」
二人はいっしょうけんめいおよめさんゆきだるまをこしらえまし
た。
そしてふたつのゆきだるまをよりそうようにならべてあげまし
た。はなれないように手ぶくろもむすんであげました。
「わぁー、うれしいなぼくにもかのじょができたぞ。ぼくのこと
気にいってくれるかなぁー?」
それでもたいようはどんどんゆきだるまたちをとかしていきま
す。
だんだんゆきだるまのかたちがかわってきました。
けいすけくんたちはしんぱいでずっとみつめています。
「けいすけくん、ゆうこちゃん、ありがとう。ぼくにこんなにか
わいいかのじょをつくってくれて。みじかいじかんだったけどた
のしかったよ」
もうほとんどとけてしまいましたが、さいごのちからをふりしぼ
って、
「らいねんは赤ちゃんゆきだるまをつれてくるからね」
そういいのこして白いこいびとたちはくもの上のせかいにたびだ
っていきました。
2001-10-30 黄泉人シザーズ
|
|