学生の頃好きだった彼が、“一緒に見よう”と初雪の降った夜に
会いに来てくれて以来、その年の初雪はその年1番好きだった人
と出来るだけ見るようにしてきた私。でもそのことを誰にも話さ
ずにいました。それから何年も経って、もう恋なんてしないだろ
うなぁと思っていた頃出逢ってしまった彼は、私より3つ年下。
最初は“さん”付けで私のことを呼んでいたのが、“姉ちゃん”
になり、呼び捨てにと変わっていき、お互いの中に好意以上のも
のがあると気づくのにそんなに時間はかかりませんでした。
ただ、彼にはそばにいてくれる人がいた。彼の成功を一番に喜ぶ
こと、悩みを一番に聴いてあげることは出来ても、必ず彼は戻っ
て行く。淋しかった。どうしても私と彼の二人だけの秘密が欲し
くて、初めてこの初雪の話を彼にしました。
“ほな、せめて初雪だけは、一緒に見よな。”彼はそう言ってく
れましたが、そんなタイミング良くは降らなくて、その年は彼が
出張中に、次の年は大晦日。その次の年には、雪の頃までに、恋
が溶けてしまいました。お互い自分が傷つくのが怖かったか
ら・・・何もかも捨てることが結局出来なかった。
今も初雪がふるたびに
彼は、今でも覚えてくれてるんだろうか・・・
初雪をどんな思いで見てるんだろう・・・
そう思ってしまいます。
“白い恋人達”を、どんな想いで聴くんだろう
そう思ってしまいます。
初雪や きみ待つ夜道 あてどなく
愛しき人と 見るを願ひて
逢えぬ日と 知るや二度目の 初雪の
しんしんと降る 除夜の音遠く
果たせじの 初雪のごと ひとり見ん
何処(いずこ)のきみに 幸(さち)多かれと
2001-10-05 へぼぴぃ
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