松田弘 & Quiet Love Notes
〔FUTARi.〕o.s.T. PARADE 〜Quiet Love Memories〜

 
レポート
〜12月11日ライブにサポート参加されたsmpさんのレポートです〜 *サポート参加について →STORY
 

「映画でも観るような感じで楽しんでもらえれば、」
MCで松田弘がそう言ったとおり、その夜、赤坂BLITZのステージは単なるライブパフォーマンスという枠に納まらない、多種多様な演出で構成された上質な音楽空間となった。ライブは [FUTARi.](ふたり)というテーマを軸として進行し、ステージ上では曲ごとに異なった空間が演出される。あるときはカフェに、あるときは公園に、あるときは映画館に、そして松田弘のライブステージに。観客は曲と曲との幕間を含めて、その場面展開を楽しむことができる、まさに一夜限りの夢のライブとなった。

オープニングはステージ上の大きなスクリーンに映し出される映画の予告編。
アメリカ映画の「セレンディピティ」、韓国映画の「猟奇的な彼女」といずれも(ふたり)を題材にした映画の予告編に続き、[FUTARi.]WEBサイトでも公開されている「愛は戻らない」のオリジナルムービー(ビデオクリップ)がスクリーンに映し出される。
一切の予備知識を与えられないままに、突然始まったこのオープニングに観客は戸惑い、そして期待に胸膨らませずにはいられない。目隠しをして映画館に紛れ込んでしまったとしたら、こんな気分になるのだろうか?赤坂BLITZはこのオープニングから不思議な雰囲気に包まれた。

「愛は戻らない」のムービーが終わると程なく、ステージの中央に置かれた木製のベンチに有里知花が腰掛ける。ベンチの後ろ両脇には小さなテーブルの上に蝋燭の炎がゆらめく。1曲目は有里知花がソロで、ギター一本をバックにサザンの名曲「涙のキッス」を完璧に歌いあげる。そして松田弘が登場し、2曲目「二人のメロディ」へとつながった。

舞台は暗転し、シックな黒いドレスに身を包んだ板谷由夏がスツールに腰掛けて朗読を始める。ここで朗読された短い物語は[FUTARi.]WEBサイトに一般の方から応募されたもの。それを板谷由夏が感情豊かに読み上げてから、3曲目「Forbidden Love」へと移った。

4曲目「蒼いパリッシュ」から、鈴木桃子のソロによる5曲目「With Your Kisses」を経て、6曲目「静かな日々」へと、ステージが盛り上がってきたところで、またも舞台は暗転し、7曲目「SIESTA」はスクリーンに大きく映し出された映像をバックに演奏される。スクリーンの「鳥の視点から見た世界」とでもいうべき映像と、「SIESTA」の旋律は、不思議な浮遊感を醸し出した。

そして静かな雰囲気の中、古内東子が背中の大きく開いたとてもセクシーなブラウンのドレス姿で登場し、松田弘とともにスツールに腰掛けて8曲目「愛は戻らない」を歌い、9曲目の「Better Days」では paris match のミズノマリが、白のトップに黒のスカート、赤いウエスタンブーツ姿で登場した。今回のライブではその演出と同時に、入れ替わりでステージに現われる女性ボーカリストの衣装や、松田弘とのトークも大いに楽しめた。

明るいブルーのかわいらしいノースリーブ姿の加藤いづみは、自身の曲「好きになってよかった」をソロで披露し、11曲目「Love Letter」へとつなげた。そして12曲目「砂の女」では Hirokoと鈴木茂が登場。とにかく鈴木茂のギターソロが強烈かつ印象的で、ステージは熱気にあふれたまま13曲目「微笑みを君と…」につながった。

そして最後の曲「Dear One」を松田弘がしっとりと歌いあげた後、参加女性ボーカリストがステージ上で一同に会し、華やかな雰囲気でエンディングを迎え、赤坂BLITZでの一夜限りの夢のライブ [FUTARi.]O.S.T. PARADE 〜Quiet Love Memories〜は幕を下ろす。だが、もちろん観客の拍手は鳴り止まずにアンコールへと突入。サザンの「太陽は罪な奴」のカップリング曲であり松田弘作詞/作曲の「君に贈る LOVE SONG」と、前作となる「それでも時は」がアンコールで演奏され、一夜限りの夢のライブに幕が下ろされた。

数々の凝った演出や、素晴らしい演奏、楽しいトークの詳細までお伝えできないのがとても残念だが、それは文字数の都合という物理的制限だけに因らない。要するに観客である私自身が当日のステージと、その演出された世界にどっぷりと呑み込まれてしまったために、冷静に時系列を追ってライブの詳細を思い出す、という作業が完全にはできていないのだ。
あえて抽象的にライブの感想を述べさせてもらえるならば、それは、すごく素敵な夢でも見たかのような印象に近い。もう一度あの素敵な夢を見てみたい、そう願うも一夜限りのライブは繰り返さない。とても残念だが、そうした儚さのようなものも、今回のライブのテーマをより象徴しているように感じる。
 
Reported by smpさん
 
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2002.11.27(wed) release 
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