[FUTARi.]O.S.T.制作にあたって。

今回、この[FUTARi.]O.S.T.というアルバムを作ろうと思ったのは、こういった先行き不安な時期だからこそ、「愛」に満ちたアルバムを作れたら良いな、と思ったことが始まりです。80年代のバブルの時期には、「なんとなく、クリスタル」な雰囲気というか、頼りなく豊かな日本だからこそ求めたスタイリッシュな愛の形があったような気がしているのですが、今は、本当にどこへ向かうのか混沌とするほど情報は氾濫し、個人の価値観も生活における物事のプライオリティーも分散していて、ステレオタイプに偶像的な対象もない時期だと感じています。政治的メッセージや社会風刺をテーマに歌うのも良かったのだけど、もっと人間くさいところ、80年代のようなきらびやかな部分だけではなくて、人間が本質的に求める安心感や思いやり、つまり「愛」についてうたうこと、女性アーティストとのデュエットという形をとることで、幸せな雰囲気を届けられれば良いなと思ったことがレコーディングに入るきっかけになりました。デュエット相手については、コマーシャリズムの中で活動している人たちではなく、自分のペースとフィールドを大切にしながら、メッセージをしっかりと持った活動をしている人達と歌うことが出来たら良いな、ということを考えながらラブコールを送っていきました。結果、8人の素敵な個性と出会うことになり、本当に素晴らしいミュージシャン達の惜しみない協力も得て、いろいろな愛の形が詰まった、「愛のコンピレーション」的なアルバムを完成することが出来ました。サウンド的には、先程言ったような80年代的な幸福感と、自分が愛してきた音楽へのオマージュ的な意味合いも込めて、AORと呼ばれた良質のポップスの2000年代的ニューウェイブ・サウンドを目指しました。
余談ですが、サザンのデビュー前に、レコードが擦り切れるほど愛して聴いていた、鈴木茂さんの「バンドワゴン」の一曲目の「砂の女」をカバーすることになって、ご本人にギターを弾きに来てもらえたり、個人的にも幸せなアルバムに仕上げられたと思っています。
また、このアルバムは「架空のサウンド・トラック」とうたっているのですが、街行くあらゆる「ふたり」の日常を描いたつもりです。つまり、このアルバムの主役は聴いていただく方々、というわけです。 秋から冬の夜長に、生活の中で聴いてもらえることを願いつつ。

皆さんが「愛」と「幸せ」に満ちた日々を過ごせますように・・・



Peace & Love
2002年 秋 松田弘
 
 
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2002.11.27(wed) release 
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